異物誤飲の続きです。 前記事はこちら→「異物誤飲」「ボタン電池」
誤って呑み込んだものが食道ではなく気道に入ることを気道異物と呼びます。乳幼児は呑み込むことが上手ではないので容易に気管の方にものが入ってしまいます。
まず恐いのは窒息ですが、同じくらいに注意すべきは気道内に入っているのに周囲からは分からない場合です。普通に考えると咳き込んだり呼吸が苦しそうだったりしそうなものですが、小さい異物が気道の奥に入ってしまうといったんは症状が落ち着いてしまいます。その数日後に肺炎を起こしたり喘息のような症状で受診してはじめて気道異物と分かることがあります。
その代表は豆類、特にピーナッツによるものです。奥に入ったピーナッツがふやけて油性成分を出すことにより、ひどい肺炎を起こします。またピーナッツを取り出すためには全身麻酔下に内視鏡的処置を行うのですが、細かく砕け崩れるため非常に厄介です。
異物誤飲は予防できる事故です。何かを飲み込んでしまってから病院に行くのではなく、飲み込ませないことが重要です。
特に3歳まではピーナッツや豆まきの豆など乾いた豆は食べさせないようにしましょう。