私が小児外科を選んだ理由は「こどもを診たいけど外科もやってみたい」というある種欲張りな願望からでした。
医師は、医学部を卒業し医師国家試験に合格すれさえすれば何科の医師にもなることが出来ます。院長はいわゆる「医者の家系」ではありませんので希望次第で何科を選ぶことも出来ました。
「こどもを診られるようになりたいなぁ」「手術もしてみたいなぁ」「産婦人科もやりがいがありそうだなぁ」「耳鼻咽喉科の手術も繊細で興味があるなぁ」といくつもの科を決めきれず、医学部6年生の時に卒業試験と国家試験の勉強をしつつ悩んでいたものです。※注)現在は2年の初期研修を終わった後どの科に進むか決めることが多いのですが当時は卒業と同時に進路を決めることがほとんどでした。
結局どれも捨てることが出来ず最大公約数的に小児外科を選んだわけですが、小児外科は取り扱う範囲が広いため一人前になるまでの道のりが遠く険しいということに後で気付くことになります。