日帰り手術の対象はソケイヘルニアと臍ヘルニアとに限っています。どちらも馴染みがない方にはイメージしづらいでしょうが、わりと多い病気です。ソケイヘルニアは「脱腸」と呼ばれたり、臍ヘルニアは「でべそ」と呼ばれたりしていますね。どちらもすぐに手術というわけではありませんので、まず受診していただき手術するべきものかどうかを判断します。
臍ヘルニアは嵌頓する(腸がハマって抜けなくなる)ことはごく稀ですし、自然に治る可能性も高い(2歳までに9割治るともいわれています)ので、2歳ごろまでは様子を見ることが多いです。以前は5円玉で圧迫することを教えられたりしていましたが治る確率には影響しないようです。しかし圧迫すると、治るお子さんでの治るまでの期間が早くはなるようですので最近は圧迫法が再度勧められつつあります。9割が自然に治ると書きましたが、低出生体重のお子さんの増加に伴い自然に治る確率は下がっている印象があります。
手術が必要かどうかは、ヘルニアが開いている場合とヘルニアは閉じているけど皮ふが余っている場合でも異なります。
日帰り手術可能かどうかはいくつかの条件があります。条件を満たさない場合や日帰り手術を希望されない場合には対応可能な病院(熊本大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、熊本市民病院)をご紹介させていただきます。