日帰り手術の対象はソケイヘルニアと臍ヘルニアとに限っています。どちらも馴染みがない方にはイメージしづらいでしょうが、わりと多い病気です。ソケイヘルニアは「脱腸」と呼ばれたり、臍ヘルニアは「でべそ」と呼ばれたりしていますね。どちらもすぐに手術というわけではありませんので、まず受診していただき手術するべきものかどうかを判断します。
出生直後からみられるソケイヘルニアは生後数か月のうちに自然と出なくなることがありますので生後数か月までは手術せずに様子を見ます。ただし嵌頓(かんとん)といって出たものがハマって抜けなくなると急ぎで手術する必要があります。また2歳や3歳になって急にソケイヘルニアになる場合もあるのですが、その場合は待っても自然には治らない(風船と同じで、一回膨らむようになると次からは容易に膨らむようになります)ので、予定の付くところで手術を計画します。
一方、同じような病気に男の子で陰嚢(タマタマ)のところがいつも腫れている陰嚢水腫という病気がありますが、陰嚢水腫は必ずしも手術が必要ではありません。
なお、大人のソケイヘルニアは生まれつきではなく筋肉が弱く薄くなることが原因ですので、自然には治りませんし手術の内容も異なります。
日帰り手術可能かどうかはいくつかの条件があります。条件を満たさない場合や日帰り手術を希望されない場合には対応可能な病院(熊本大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、熊本市民病院)をご紹介させていただきます。